【プリコネ】【脱出ゲーム】とあるカォンからの脱出
目が覚めると、そこは見たこともない場所でした。
ここ、どこ……?
不安に駆られ、僕はキョロキョロと辺りを見渡します。
と、不意に後ろから声をかけられました。
???「おう、やっと目が覚めたか!」
‼︎‼︎
じゅ、獣人だ……!
僕は思わず腰を抜かしてしまいました。だって、こんな近くで獣人を見るのは初めてだったんですから。
???「どしたん? そんなチキらんでもええんよ?」
僕がびっくりしていると、柱の陰からまた新しい獣人が出てきました。
そこで、僕はようやくここが何処なのかを悟りました。
お母さんから聞いたことがあります。僕たちが住んでいる村は『カォン』という獣人ギルドに支配されていると。多分、ここがその『カォン』なのでしょう。
その事実を認識した途端、体中から冷たい汗が一気に吹き出ました。
『カォン』にはとある噂がありました。
それは───
〝『カォン』のメンバーは人肉が大好物〟
「た、食べないでください!」
気づけば僕は彼女たちに土下座して命乞いをしていました。
僕はこんなところで死にたくなんてありません。助けて、神様、お願いします…。
でも、神様はいませんでした。
???「嫌さー! 私たち、もうお腹ペコペコなんさー♪」
いつの間にかその場に居た獣人の一言で、僕の視界が一気にぼやけました。原因は、涙でした。
いやだ、いやだよ、僕、まだ死にたくないよお母さん……。
と、その時でした。
???「おいおい、泣くなよ。飯が不味くなるじゃねーかよ」
???「まぁまぁ、マコトはん。…でも、こんな泣かれると流石にかわいそうに感じてまうわぁ。ちょっとぐらい生き残るチャンスをあげてもええんとちゃう?」
マコト「ん…、まぁ姫さんがそう言うなら…」
───そんな獣人達の気まぐれで、僕は自身の生き残りをかけた謎解きゲームに参加することになったのです。
ナレーター「さあ、あなたは見事獣人達が繰り出す謎を解き、この殺人ギルドから脱出することができるだろうか?」
『とあるカォンからの脱出』START
Q1.
???「制限時間は5秒どす♪」
……へ?
カォン「5!」
え、待って待って。そんなすぐ解けるわけ…!
「4!」
ちょっ、な、謎っ、解かないとっ!
「3!」
むりっ、無理無理無理っ! こんなの無理ゲーじゃんっ!
「2!」
ひぃいぃぃ、やだぁぁああぁぁ‼︎
「1!」
あ゜。
???「はい、時間切れどす♪ 残念やったなぁ、せっかくチャンスをあげたのに」
「やだぁあぁぁ! 死にたくない! 死にたくなーい!」
マコト「うるせぇなぁ。チャンスも活かせないようなグズはさっさと死ねよな」
???「私に任せるさー! いくよー! 琉球犬ナックルアロー‼︎」
僕の意識は、そこで永遠に途切れてしまいました。
GAME OVER 脱出失敗
???「やっぱり人間のフグリは甘くて美味しいさー♪」
マコト「おい、ずりーぞ! 1人で全部喰うなよ!」
???「まぁまぁ。まだまだ〝備蓄〟は沢山ありますから。そんな慌てんで良かよ♪」