僕と可愛いお馬さんたちの日記

デカチン凛世は絶凛世

僕なりのジョジョリオン矛盾考察 -8部の矛盾は矛盾じゃない その①-

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ジョジョの奇妙な冒険』第8部 ジョジョリオン

つい最近完結したジョジョシリーズの最新作ですが、その評価はファンの間でも賛否が分かれています。その理由の一つとして挙げられるのが〝矛盾の多さ〟。これまでの部にも矛盾はいくつかありましたが、今回はジョジョ初のミステリー仕立てだったこともあり特にそこに違和感を感じてしまった人が多かったようです。

 

ですが、矛盾点として挙げられているものの中には「こう考えれば説明がつくのでは?」というものも複数あると僕は思うのです。

そこで今回は、ジョジョリオンの矛盾(と言われている箇所)に対する僕なりの解釈を雑語りしていきたいと思います。

 

※これより先はネタバレが大量に含まれますので未読の方はご注意ください。

 

 

☆今回の議題

壁の目でつけられた謎の歯形について

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第1話『ようこそ 杜王町へ』で登場した謎の歯形ジョジョリオン本編ではこの歯形は壁の目の持つ不思議な力により発生する代物で、この歯形をつけられた者はスタンド能力に開花するのだということが示唆されています。(7部で言う「悪魔の手のひら」に近しい存在だと思われます)

ここで指摘される矛盾というのが〝定助・康穂・常秀の3人は初めからスタンドパワーを有していたのだから、歯形は何の意味もないのでは?〟というもの。

確かにスタンド能力に関しては定助は融合前から有していましたし、康穂は幼少期にその鱗片を見せ、そして常秀は家族全員が能力持ちの家系。一見謎の歯形は死に設定のように思えます。

ですが、ここで思い出して欲しいのが過去の部の存在とその後の展開。それぞれのキャラに付けられた歯形の意味は、そこから導き出すことが出来るのです。

 

まずは広瀬康穂から。

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確かに彼女は102話『ザ・ワンダー・オブ・ユー(君の奇跡の愛) その19』で明らかにスタンド能力を有していたことが描かれています。

……ですがボーン・ディス・ウェイ戦等を見るに、明らかに当初彼女は自身のスタンド能力に気づいていないどころかその能力で発生する事柄全てに驚きと戸惑いを隠せていませんでした。

こんな幼少期からスタンド能力の鱗片を見せていて、そんなことがあり得るのでしょうか?

 

ここで思い出されるのが、広瀬康穂の元ネタ(?)である広瀬康一

彼のスタンド、エコーズの初登場のシーンを思い出してください。

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そう、なんですよね。

幼少期の康穂が無意識に使用していたスタンドはこの卵のような物、能力も〝若干検索が便利になる〟程度の大したことの無いものだったのではないでしょうか。

つまり康一くんのスタンドがACT1、ACT2と進化していったように、康穂のペイズリー・パークはあの歯形によって刺激されることによって彼女自身にも認識が可能なヴィジョンと新たな能力へと進化したのではないでしょうか。

 

続いては東方定助

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51話『ビタミンCとキラークイーン その2』で融合元の片割れ仗世文は定助のソフト&ウェットと殆ど変わらないスタンド能力を有しています。

……となってくると、やはり定助に付けられた歯形は意味がなかった?

 

いいえ、違います。

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まず初めに思い出されるのは第5部ブラックサバス戦

主人公ジョルノ・ジョバーナは物語最終盤で矢のパワーにより新たな力レクイエムを得るのですが、それより以前ブラックサバスとのバトルでも一度その矢(厳密には別のものですが)で刺されているのです。

しかしその際にはジョルノは新たな能力には覚醒しませんでした。

これに関しては〝当時のジョルノはまだ能力が覚醒するに値する精神力を有していなかったから〟なのではないかとファンの間では囁かれています。

……考察の論拠に別の考察を持ってくるのはあまりお行儀の良い行為では無いと思いますが、8部の定助もここのジョルノと同じことが言えるのでは無いでしょうか

1話の時点での定助はまだ自分が融合して生まれた存在であることを知らず、ただただ己が何者なのか分からず苦しみ抜く存在でした。このタイミングではまだ歯形のもたらす能力の覚醒は彼には適用されていなかったのです。

ですが物語も終盤へと向かい、安穂、そして豆銑さんとの共闘を経て定助はの中からの『定助』〟──即ち確固たる自分という存在を受け入れるのです。

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そしてそれを受け入れる強い精神力の先に生まれたのが──。

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Go ☆ Beyond(超えて行く)

唐突の登場に思われたゴー・ビヨンドは、1話の時点で──壁の目に歯形をつけられたあの時から既に定助の中に眠っていた能力だったのではないのでしょうか。(7部の回転のエネルギーがデフォルトで備わっていたのもやはりあの土地由来の能力故に思えますし…)

 

最後に常秀なんですが、こいつが一番簡単です。

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だってほら、つるぎちゃんが思いっきり説明してるんだもん。

恐らく常秀は1話のタイミングで初めてあの場所に近づいたんでしょう。

東方家だからスタンド能力を持っているのではなく東方家は昔からあの地と関係性が深いため自然と皆がスタンド能力を身につけるようになった。こう考えるのが自然だと僕は思います。(実際に大弥ちゃんもあそこで転んだことで視力と引き換えに能力を身につけているわけですし)

 

以上が僕の考えです。

〝謎の歯形にはしっかりと意味があった〟

今回はこの結論で記事を終わりにさせていただきたいと思います。

 

☆おまけ

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こうやって考えると大弥ちゃんの太ももが抉れたあの演出歯形の食い込み──即ち能力の暴走を表していたように見えることないですか?

彼女は定助に一目惚れしていたようですし、その強い気持ちが能力を暴走させ、重要な記憶を優先して抜き出すようにしていたのではないでしょうか?(だってほら、彼女が所持していた他の人の記憶って他は自転車とかお花畑とか意外と無くなっても当たり障りない記憶ばかりじゃないですか)

 

☆次回予告

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気が向いたら次回は憲助さんの矛盾について、あれこれ自分なりの考えを述べていきたいと思います。